三ヶ月の語学留学でどの程度フランス語は伸びるのか
2021年9月にこちらに来て、早いもので3ヶ月程が経過した。
よく、基礎力がない状態で語学留学に来ても、
レベルの低めなクラスに入れられるので、時間を無駄にするから
先にある程度実力をつけた方がいい、ということを聞くが、
私はまさにその状態でフランスに来てしまった。
どの程度のスペックだったかというと、
-
大学ではフランス語の履修なし。第二外国語は中国語だったので、
特にそこからの知識の応用も期待できない。
-
2020年冬に仏検5級取得、そこから学習ストップして、
2021年5月くらいから、3ヶ月くらいで仏検3級取得。
単語暗記と読解・文法に特化して、「受かるためだけ」の学習をしたので、
聞けないし、話せない。
-
英語はそこそこ(CEFR的に言うとB2レベル)で、ノンネイティブとであれば
自由に会話可能。ネイティブ相手だと聞き返したりしないといけないし、
細かいニュアンスについてはよく知らないレベル。
文法は塾講師やってたので大体全部分かる。
ということで、ほとんど実力がない状態でフランスに突入した。
語学学校で入ったクラスも一番最初のDELF A1クラスで、
基礎の基礎から学習することになった。
当然、仏検3級程度の知識ではほぼ何も役に立たず、
着いた当初は何をするにも彼女の手を借りていた。
毎日何をするにも不安で、語学学校に通っても何の成果もなかったら...と
無闇に悲観的になることもあった。
そのような状態から、3ヶ月の語学留学を経てどのような変化が
あったかと言うと、
- 先生の言ってるフランス語が聞き取れるようになった。
- とてつもなく簡単な応答であれば、フランス人と応対できるようになった。
超基本的なフレーズの型が少しずつ身について、反射的に言えるようになった。 - 一人で店で買い物ができるようになった。
- 全体はわからなくても、部分的に聞き取れる箇所が増えて、
推測で判断できるようになった。 - やや長めの文章の筆記ができるようになった。
など、多くの面で成長があった。
とはいえ、「現地に住めば嫌でも言葉は習得する」とか、
「フランス人の彼女・彼氏がいれば教えてもらえるから習得早い」とか、
そんなことは全くなかった。
一部の天才はそういうことが可能だと思うし、
あるいは既に専門分野を持っていて、その領域に特化して言葉を覚えるのであれば
習熟速度は変わってくると思うが、私の場合はそうではなかったので、
現地に住むことによっての劇的な効果はなかった。
ただ、授業にいけば毎回3〜4時間程度は強制的に先生からの
フランス語を食らい、街に出れば当たり前だが死ぬほどフランス語を目にする。
学校に行って帰ってくるだけで最初はくたくただったのは、
非常に濃い学習時間を体験したためで、これは日本にいては得られないモノだったと思う。
また、授業のレベルについても、文法の内容が初学者向けであるだけで、
先生の発話だったり、リスニング教材の中では、平気で先のレベルの文法事項が
出てきたりする。基礎的な文法事項にこそ、極めて重要な視点が隠れているものなので、独学だとスルーしそうな部分を、丁寧に拾ってもらえたのは今後の学習にとってとても有意義なものだと感じた。
会話練習やロールプレイングもよく行われ、独学では難しい練習もできる。
そこまでフランス語が定着していない状態でも、
三ヶ月の語学留学によって、かなりフランス語が伸びたと感じるし、
もし独学で、日本で学習していれば、お金も時間ももっとかかっていたと思う。
もし、フランスに留学するか迷っている人がいて、その人が
「まだフランス語そこまで分からないしな...仏検2級くらい(DELF A2〜B1くらい)は先にとった方がいいのかな」ということで二の足を踏んでいるとしたら、
特に気にせず突っ込むことをお勧めしたい。
私の場合は、それでも多少はフランス語の準備をしていった方だが、
もっと無の状態で来ている人もいる。旦那の転勤に合わせて来た奥様方や、
母国での生活が厳しく難民のような形で来ている学生もいた。そういう人たちは
フランスに来てから学習を始めるようなケースばかりである。
そして、そういう人たちも、かなりのレベルアップをしている。
今学期を終えてみて、当初は不安だったものの、来てみて良かったと感じている。
1ヶ月の休みを挟んで次もまた三ヶ月の授業が始まるので、そこに向けて準備をしていきたい。