英語学習にハリーポッターの原書は「使っていい」し、TOEIC対策にもなる

これまで度々「英語の勉強にハリーポッターの原書読んでみようかな」と

思ったことがある。

 

ただ、いざ購入しようとネットで検索してみると、

検索結果の上の方に

 

ハリーポッターで英語を勉強しない方が良い10の理由」

「絶対ハリーポッターで英語は勉強してはいけない」

 

みたいな記事が出てきて、「そんなに言うならやめとこうかな」と

手を出さずにいた。

 

古くは高校の時の校長が、「ハリーポッターは英語の勉強に適さない」

と言っていたのがなんとなく引っかかっていたからで、

卒業してから10年以上経っても読まないままにしていた。

(特に高校の時の校長には思い入れはなかったが、英語科出身ということで

 やや浮いた施策をとることが多く、言ったことが妙に記憶に残っていたりする)

 

そして、最近暇になったことと、英語の勉強で楽しんで出来そうなことを

模索していたところ、本屋でハリーポッターの原書が置いてあったので、

みてみると、

 

「あれ…意外とわかるのでは…?」

 

と驚き、すぐにレジに持って行って購入した。

 

そして、その辺の喫茶店で人を待つ30分、集中切らさずに

読み続けることができ、「これなら行けそうだ」と

1日1〜2時間程度かけて読むようにした。

 

TOEICの試験が、ハリポタ1巻の購入1週間後に迫っていたので、

リーディング対策も兼ねて、特に「速く読むこと」を意識して

読み続けたところ、本番ではトイレ離脱をしたにもかかわらず数分余る程度になり、

いつも時間ギリギリの状態から、読解速度がかなり上達したことを実感できた。

 

 

ベースとしてTOEICスコアで750程度あり、単語も文法も一通りやっていたので、

より効果を実感しやすかったのかもしれないが、単語さえやっていれば、

TOEIC600程度、またはもっと下でも、やろうと思えばできるレベルと感じた。

 

また、前提として「日本語訳を先に読んでおく」ことも条件に含まれるだろう。

流石に日本語版を読んでいないと何が起きるかわからないのできつい。

 

たまに「日本語訳は意訳が多いので、原書の補助にはならない」という

意見もあるが、原書と日本語訳を並べてみるわけではないので、

特に問題はない。むしろ、原文の「直訳」ではなく「雰囲気」を感じるためには、

ちょうど良い内容と思う。

 

少なくとも、みんなが強く「おすすめしない」という程、

理解が難しい内容ではない。

 

もし、現時点で「ハリーポッターで勉強してみたい」という人がいれば、

以下の条件が揃っていれば、挑戦してみてもいいのではないだろうか。

 

TOEIC頻出単語 1冊分の暗記

・文法事項 一通り終了して分かっている

 →レベル的にはTOEICスコア700以上くらい

ハリーポッターの日本語版1回読む

 

1回原書で読めると自信にもつながるし、スピードを意識すればテスト対策にもなる。

 

ということで、ハリーポッターの原書で英語学習することを

お勧めする理由について、5つ書いてみた。

 

1.意外と難しい単語はないので、やればできるので楽しい

TOEICだとあまり見ない表現(reckon~とか)はあるけど、

呪文だったり町の名前とかはすでに知ってるので、意外と何とかなる。

 

特にTOEIC普通にやって600〜700点以上、

金のフレーズ一通りやって分かるレベルであれば、問題なさそう。

 

また、例えば以下のような表現について、

 

"He's lost his marbles"

 

ここだけ抜き出すとよくわからないが、前文で、

 

ハグリッドがドラゴンのノーバートを違法に仕入れてきた上で、

そのドラゴンの赤ちゃんの目を見ながら「こいつ俺のことがわかるぞ、お母さんがわかりまちゅか」みたいなことを言っている。

 

シーンがあり、それに対してロンが"He's lost his marbles"と言っているので、

「ああ、何か馬鹿にしてこう言ってるのかな」と推測がつく。

 

→実際 ”lose one's marbles”で「気が狂う」みたいな意味らしいが、

 今調べるまでよく知らず、おそらく読んでいる時は適当に流していたと思う。

  (marble=ビー玉・おはじきなので、子どもがこれ取られて気が狂う、みたいな意味のよう)

 

こういうシーンをいちいち調べているとさっさと読む練習にならないので、

適当に流して進むようにすると、気楽に読めるし、飛ばしたところで本筋には関係ないので大丈夫。

 

2.原作を読んでさえいれば、分からないところも雰囲気で分かる

(=長文読解で推測力がつく)

テストの文章問題のような文脈も関係性もわからない短文ではなく、

一連の長文では背景知識が分かっていれば、正確に文章を理解できていなくても、

雰囲気で内容が分かる。

 

ハリポタの流れとして、大体以下の流れがあるので、

ボス戦に絡む話以外はスキップしても大丈夫だし、

最悪ボス戦に絡む内容を読み飛ばしても、オチが分かっていれば楽しめる。

 

 1.ダーズリー家に幽閉されてしんどい、誰か助けて欲しい

 2.なんやかんやでホグワーツ行きの列車乗る

 3.授業楽しい、スネイプは嫌い

 4.クィディッチ楽しい

 5.夜抜け出して、バレて懲罰処分食らう

 6.3~5の繰り返し

 7.ボス戦

 8.帰宅

 

ある程度「推測」の練習を重ねると、「わからない単語」が出ても

あまり気にせず先に進めるようになるので、

「わからなくて止まる」ということが減り、読解速度が速くなっていく。

 

 

 

3.訛りも最初はよく分からないが、何となくわかると楽しい

特にハグリッドは、原書を読む前から危惧していたのだが、

読んでみると何となく言いたいことは分かる。

 

例えば、ダーズリー家の面々に初めて対面したときに言った

以下の言葉について、

 

I'd like ter see a great Muggle like you stop him.

(ここのhim はハリーのこと)

 

"ter" ってなに? と一瞬思うが、「I'd like」があるので、

ここは「to」なんだろうなと分かる。

 

普通だったら「〜見たい」と訳すところが、terになることで、

「〜見てぇ」になる、みたいなところだろうか。

 

他にもハグリッドはこの ter を乱用しており、

tから始まる前置詞(through,towardなど)でも使用しているようだったが、

雰囲気で「多分こうなんだろうな」というのは分かる。

 

4.外国人との会話の種になる

ハリーポッターで出てくる表現は造語も多く、覚えるに値しない」

という話もあるが、世界的に有名な作品だけに、外国人の方も

ハリーポッターを知っていれば、会話の種が増える。

 

何かが空中に舞ってるときに「ウィンガーディアムレヴィオーサ」とか言って

向こうがのってきたらそのまま知ってる呪文かけあって遊んでもいいし、

「ステューピファイとスポーティファイって似てるよね」とか言って、

Siriに失神魔法かけたりSpotifyかけさせたりすることもできるかもしれない。

(文字にするとクソつまらないけど、現場では小一時間潰せるレベルのネタ)

 

5.何よりハリーポッターは面白い

前に読んだことはあるけど、もう一度見てもやはり面白い。

 

1巻で言うと、冒頭50ページも使って、如何にダーズリー家での生活が劣悪かということを語りつつ、秘められた魔法の力をちょっとずつ見せて「この後何か起きそう」とワクワクさせる感じ。ダイアゴン横丁での買い物、列車の中で食べるお菓子、ホグワーツの授業など、刺激的な物事が、ハリーの目線を通してすごく新鮮に見られるので、もう一度読んでも、子供の時に見たワクワクを得られる。

 

「そもそもハリーポッター知らないし、好きでもない」という人は、

あまりお勧めではないが、昔読んだ翻訳物で、一度原書でも読んでみたいと

ちらっと思ったなら、そのレベルに関わらず一度原書で手に取ってみて、

さっと数ページ読んでみるといいと思う。

 

「意外と意味わかるなぁ」とか「そうそう、最初こんなシーンだったよね」と

思えるなら、ちょうどいい学習材料になるだろう。